2013年03月26日

竹の丸(旧松本家住宅)

掛川市

掛川城内の「竹の丸」に建てられた葛布問屋の邸宅

市指定文化財

竹の丸(旧松本家住宅)

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01 離れ 1階座敷/10畳の座敷に、5畳の上段を構えた離れの座敷です。床の間の左脇には火灯窓が開かれています 02 庭からの全景/広大な庭園に面して2階建の離れと平家建の主屋が並んでいます

葛布(くずふ)問屋・松本家の邸宅

「竹の丸」は掛川城北側の郭(くるわ)で、重臣の屋敷地でした。1903(明治36)年、掛川城下で代々葛布問屋「松屋」を営んでいた松本家が当地に本邸を建て、大正時代末期に離れの2階を増築しました。

竹の丸の建築

主屋の正面左端に式台(しきだい)玄関を構え、中央に「見世(みせ)」と「帳場(ちょうば)」が並びます。その奥に土間、南東に葛布の作業場が張り出し、北西に離れが続きます。離れの1階は上段付の座敷があります。2階の「貴賓室(洋間)」には葛布の壁紙が張られ、上段床(じょうだんどこ)を構えた座敷には水屋が備えられて、もてなしの空間であったことがわかります。

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これは見逃せません!!

貴賓室から望む天守閣

離れ2階の貴賓室は、南側の庭園に面したベランダが付けられ、欄間に色鮮やかな花鳥のステンドグラスがはめ込まれています。貴賓室から白亜の掛川城天守閣を望むことができます。

  • 見学有料
  • 予約不要

葛布問屋の邸宅が見学でき、部屋によっては貸室(有料・予約制)として利用することもできます。

名称竹の丸(旧松本家住宅)〈たけのまる(きゅうまつもとけじゅうたく)〉
概要【住居】主屋:木造平家建、寄棟造り、桟瓦葺 離れ:木造2階建、入母屋造り、銅板葺 ※土蔵2棟、米倉、番屋も市指定文化財です
年代主屋:1903(明治36)年 離れ:大正時代末期
電話番号掛川市 竹の丸/0537-22-2112
所在地掛川市掛川1200-1 定休日第4月曜(祝日の場合は開館)
営業時間9:00〜17:00 駐車場20台
料金入館料大人100円、小・中学生50円
アクセス公共交通機関:掛川駅北口より徒歩約7分
車:掛川ICから北に約2.5㎞、約10分
ホームページhttp://www.slowlife.info/takenomaru/

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2013年03月19日

吉野屋

浜松市

姫街道・気賀の陣屋跡に営まれた離れの旅館建築

吉野屋

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01 萩の間/茅葺屋根の2階の座敷です。床の間には皮付丸太の床柱を立て、床脇には違い棚を備えています 02 桐の間からの全景/池を挟んで茅葺屋根の離れと瓦屋根の松の間が並んで建っています

吉野屋

吉野屋は、浜名湖の北側を通る姫街道(本坂道)の宿場町として栄えた気賀(きが)の旅館です。気賀関所の関守(せきもり)・近藤家陣屋跡の一画に位置し、吉野屋の庭園部分は、「い草」栽培の試植地でもありました。

吉野屋の建築

庭園を囲むように4棟の離れが建っています。最も特徴的な茅葺屋根の離れは、1階の「日の出の間」と2階の「萩の間」から成り、瓦屋根の「松の間」が隣接します。池のほとりには、瓦屋根の「桐の間」と「亀の間」の2棟が配されています。いずれの建物も、材料や意匠にこだわった旅館建築です。

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これは見逃せません!!

瓢(ひさご)形の吹抜き

「桐の間」の床の間で目を楽しませてくれるのは、床柱に取り付く壁の「瓢形」の吹抜きです。よく見るとゴツゴツした木材がはめ込まれています。吉野屋の建築には、銘木・珍木と共に、このような古材も使われています。

  • 食事のみ
  • 要予約

庭園を囲むように配置された離れで、食事を楽しむことができます。当家に生まれた日本画家野島青茲の作品展が、年に1度(ゴールデンウィ―ク)当館で催されます。

名称吉野屋(よしのや)
概要【旅館】桐の間・松の間:木造平家建、入母屋造り、桟瓦葺
亀の間:木造平家建、寄棟造り、桟瓦葺
日の出の間・萩の間:木造2階建、切妻造り、茅葺、※大工石原光次郎
年代桐の間・松の間:1927〜28(昭和2〜3)年
亀の間:1933〜34(昭和8〜9)年
日の出の間・萩の間:1935(昭和10)年
電話番号吉野屋/053-523-0004
所在地浜松市北区細江町気賀904-1 定休日
営業時間 駐車場10台
料金
アクセス公共交通機関:気賀駅より徒歩約10分
車:浜松西ICから北西に約9㎞、約30分分
ホームページhttp://www2.ocn.ne.jp/~yosinoya
  

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2013年03月19日

八百甚

掛川市

遠州横須賀の町を代表する老舗旅館の建築

八百甚

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01 玄関/広い土間に大黒柱と板敷きの式台が迎え、その中央には客室へと導く階段を据えた特徴的な造りです 02 正面全景/遠州横須賀の町の中央に建つ、大きな入母屋屋根の旅館建築です。2階の手摺や軒裏など、見どころがたくさんあります

遠州横須賀の町並み

遠州横須賀は、近世を通じて横須賀城の城下町として栄え、現在も往時の産業や町並みが残っています。三熊野(みくまの)神社の祭礼も継承され、祢里(ねり。屋台のこと)を曳き回す大祭は有名です。

八百甚の建築

八百甚は、町の中央に建つ創業明治時代末期と伝わる老舗旅館です。奥の別棟には、当初からの客室「1号室」があり、床の間には存在感のあるコブ付の床柱が立っています。街道に面した木造2階建、入母屋造りの建物は、1931(昭和6)年の建築で、正面のガラス戸を開くと、土間が広がり、大黒柱が現われます。その脇の階段で2階へ進むと、4室続きの客室があります。部屋境は襖で仕切られ、それぞれ床の間を構えています。

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これは見逃せません!!

大きな大黒柱と天井

土間に足を踏み入れると、堂々としたケヤキの大黒柱が立っています。大黒柱の頭部には大きな木材が架け渡され、天井は大小の木材を縦横に組んでいます。これは2階の床の構造をそのまま表した「根太(ねだ)天井」といいます。

  • 宿泊・食事
  • 要予約

遠州横須賀の町並みのシンボル割烹旅館「八百甚」では、食事のみの利用もできます。八百甚の旅館建築を楽しむには、宿泊・食事の予約時に、近代和風建築の2階客室を希望してください。

名称八百甚(やおじん)
概要【旅館】 木造2階建、入母屋造り、桟瓦葺、大工清水末吉
年代明治時代末期、1931(昭和6)年
電話番号八百甚/0537-48-2008
所在地掛川市横須賀113 定休日
営業時間 駐車場15台
料金
アクセス公共交通機関:袋井駅よりバス約20分横高入口下車徒歩約2分
車:袋井ICから南東に約14km、約30分
ホームページ
  

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2013年03月19日

可睡斎 瑞龍閣

袋井市

徳川家康ゆかりの寺院に建つ大規模和風建築

可睡斎 瑞龍閣

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01 牡丹の間から菊の間を見る/中央に大きな床の間を構え、両脇に特徴的な棚を備えた50畳の広間が対面しています。部屋境の欄間には牡丹が彫り出され、草花が描かれた襖絵で飾られています 02 正面 全景/大きな曲線状の唐破風屋根の玄関を中央に構えます

可睡斎

牡丹が美しい可睡斎は、徳川家康によって名付けられた曹洞宗の古刹(こさつ)です。火防(ひぶせ)の総本山でもあり、明治時代初期の秋葉三尺坊御真殿(あきはさんじゃくぼうごしんでん)が境内に建っています。

瑞龍閣の建築

山門の右側に建つのが、木造2階建の瑞龍閣です。1937(昭和12)年に建てられた大規模和風建築で、正面に大きな唐破風(からはふ)屋根の玄関を構えます。2階は50畳敷きの「菊の間」と「牡丹の間」の2室、1階は6室から成っています。室名にふさわしい襖絵(ふすまえ)や装飾で豪華に飾られ、床脇(とこわき)の変化に富んだ棚も特徴的です。別棟には、見事な大東司(だいとうす。便所のこと)があります。

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これは見逃せません!!

日本一大きなトイレを護る仏様

瑞龍閣の隣に建つ「大東司」は、日本一大きなトイレです。1937(昭和12)年に水洗トイレとして建てられました。中央には、東司の仏様である烏蒭沙摩明王像(うすさまみょうおうぞう)(高村晴雲・作)が祀られています。

  • 見学有料
  • 予約不要

瑞龍閣、大東司、本堂、秋葉三尺坊御真殿など館内巡拝をすることができます。境内の参拝は自由で、インド建築風の護国塔(県指定文化財)もあります。可睡斎ならではの精進料理も有名です(予約制)。

名称可睡斎 瑞龍閣(かすいさいずいりゅうかく)
概要【寺院】木造2階建、入母屋造り、桟瓦葺、設計金子清吉、襖絵日本画家山口玲熙(れいき)
年代1937(昭和12)年
電話番号可睡斎/0538-42-2121
所在地袋井市久能2915-1 定休日
営業時間8:00〜16:30 駐車場70台(境内地無料駐車場)
料金館内巡拝大人500円、小人300円
アクセス公共交通機関:袋井駅よりバス約10分可睡下車
車:袋井ICから北に約3㎞、約8分
ホームページhttp://www.kasuisai.or.jp/
  

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2013年03月19日

花咲乃庄(大箸家住宅)

磐田市

天竜川東岸の造り酒屋で栄えた庄屋屋敷

国登録文化財

花咲乃庄(大箸家住宅)

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01 主屋/門の正面に建つのが木造2階建の主屋です。正面の障子の奥は土間で、その左手に式台玄関を開きます 02 奥座敷/正面に床の間を構え、左手には組子細工が美しい平書院を備えています

大箸家の建築

大箸家は、天竜川の東岸で江戸時代末期から造り酒屋を営み、庄屋を務めた旧家で、天竜川の治山・治水に尽くした金原明善(きんぱらめいぜん)と親戚関係でもあります。木造2階建の主屋の中央に式台(しきだい)玄関を構え、庭に面して縁側を廻らし、奥座敷と中座敷を構えています。土間部分には大きなレンガのカマドが据えられ、裏庭にある酒造に使われた井戸は、現在も使われています。屋敷の入口には、なまこ壁の南土蔵と東土蔵が建っていて、現在は江戸の博物館として公開されています。

  • 見学有料
  • 予約不要

磐田の庄屋屋敷を文化施設・博物館「花咲乃庄」として公開しています。主屋内の食事処「一貫」では、手打ち一・九そばや静岡のうなぎ、あんみつなどをいただくことができます。森町へ足をのばし、太田川沿い秋葉道の城下の町並み散策もおすすめです。

名称花咲乃庄(大箸家住宅)〈はなさかのしょう(おおはしけじゅうたく)〉
概要【住居】木造2階建、寄棟造り、桟瓦葺
年代江戸末期(明治前期改修)
電話番号花咲乃庄/0539-62-2316
所在地磐田市壱貫地429 定休日火曜(祝日の場合は営業)
営業時間10:00〜16:30 駐車場100台
料金入館料大人500円、小人250円(食事、喫茶利用の方には割引あり)
アクセス公共交通機関:遠州小林駅より車で約12分
車:浜松浜北ICから東に約6㎞、飛龍大橋経由で約11分
ホームページhttp://www.hanasakanosho.com
  

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