富士市
東海道間宿「岩淵」の小休本陣の建築
国登録文化財小休本陣常盤邸


内部全景/ミセの間からの内部全景です。部屋数が多く建具で間仕切られた開放的な空間で、奥の座敷が上段の間です
全景/平家建の建物の正面には、庇を設けて前土間としています
小休本陣常盤邸の建築
常盤家は、江戸時代初期から富士川右岸の岩淵村で、渡船名主(とせんなぬし)を務めてきました。岩淵は、東海道吉原宿と蒲原(かんばら)宿の間に位置する「間宿(あいのしゅく)」で、その休憩施設「小休本陣(こやすみほんじん)」の役割も果たしていました。ところが、安政の東海地震(1854年)で全ての建物が倒壊し、その後再建されたのが現在の建物で、小休本陣の特徴がよく現れています。 玄関を入ると奥まで通り土間が続き、さらに正面の庇(ひさし)部分も前土間になっています。部屋数も多く、部屋境は障子や襖(ふすま)で間仕切られた開放的な空間です。奥の座敷「上段の間」は、最も格式の高い部屋で、大名などの賓客(ひんきゃく)のみが休憩することができました。通り土間の奥には台所があります。


大名が休んだ上段の間
庭に面した奥の座敷が上段の間です。「上段」という名称の通り、この一室のみ床の高さが約9㎝高く造られ、大名などの賓客の座所となった部屋です。正面に床の間を構え、床脇には違い棚と天袋を備えた格式高い部屋です。
東海道の休憩施設「小休本陣」の建築を土間から見学することができます(公開日は土・日曜、祝日)。
名称 | 小休本陣常盤邸(常盤家住宅主屋) 〈こやすみほんじんときわてい(ときわけじゅうたくしゅおく)〉 |
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概要 | 【住居】木造平家建、切妻造り、桟瓦葺 | ||
年代 | 江戸時代末期(安政東海地震後の再建) | ||
電話番号 | 富士市立博物館/0545-21-3380 | ||
所在地 | 富士市岩淵455 | 定休日 | 公開日 土・日曜・祝日 |
営業時間 | 9:00〜16:00 | 駐車場 | なし(富士川民俗資料館P利用可) |
料金 | 無料 | ||
アクセス | 公共交通機関:富士川駅より徒歩約25分 車:富士ICから南西へ約7㎞、約16分(富士川民俗資料館駐車場より徒歩約8分) |
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ホームページ | http://museum.city.fuji.shizuoka.jp/ |