三島市
池泉庭園「楽寿園」に営まれた宮家の別荘建築
市指定文化財楽寿館(旧小松宮彰仁親王御別邸)


楽寿の間/小浜池が描かれた大襖を開くと、中央に大きな床の間が現れ、その両脇には装飾豊かな棚が備えられています
全景/富士山の湧水を湛える小浜池に楽寿の間が映ります。その左には不老の間、右奥にはホールが続いています
楽寿園
三島市の自然豊かな公園「楽寿園」は、小松宮彰仁親王が、富士山の雪解け水が湧き出す小浜池(こはまいけ)一帯を別荘と定め、池泉(ちせん)回遊式庭園と邸宅を造営したものです。その後、李王家、緒明(おあき)家を経て、現在の楽寿園になりました。
楽寿館
1891(明治24)年6月28日に上棟した楽寿館は、小浜池に迫り出すように建てられた楽寿の間をメインに、不老の間、柏葉(はくよう)の間、ホール(李王家の増築)、玄関棟が中庭を囲み、廊下でつながれています。
楽寿の間は、中央に床の間を構え、美しい襖絵(ふすまえ)・天井画で飾られた格式高い空間です。縁側の手摺(てすり)には、網を干した様子を図案化した京都修学院離宮の「網干(あぼし)の欄干(らんかん)」が忠実に再現され、宮家の好みがうかがえます。不老の間と柏葉の間は、天然の素材をいかし、宮家の綺麗(きれい)さびが表現された茶室空間です。楽寿館は、材料から装飾デザインまで吟味された、宮家にふさわしい別荘建築です。


座敷に輝く華麗な照明器具
楽寿館を代表する「楽寿の間」の天井には草花が描かれ、その中央には華麗な照明器具が光輝いています。伝統的な宮家の建築に新時代の光がもたらされ、近代のきらびやかな宮家の座敷空間をつくり上げています。
「楽寿館」は「楽寿園」内にあるため「楽寿園」への入園が必要です。「楽寿館」の館内一般公開は、1日6回、所要時間約30分、無料で行われています。見学希望者は下記時間前に「楽寿館」玄関前に集合してください。10:00、10:30、11:00、13:30、14:30、15:30(11~3月は15:00) ※開催日時はお出かけ前にお問い合わせください。
名称 | 楽寿館(旧小松宮彰仁親王御別邸) 〈らくじゅかん(きゅうこまつのみやあきひとしんのうごべってい)〉 |
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概要 | 【別荘】木造平家建、桟瓦葺 ※楽寿の間の絵画は県指定文化財 | ||
年代 | 1891(明治24)年上棟 | ||
電話番号 | 楽寿園/055-975-2570 | ||
所在地 | 三島市一番町19-3 | 定休日 | 月曜 (祝日の場合は翌日) |
営業時間 | 9:00〜17:00 (11〜3月は〜16:30) |
駐車場 | 82台 |
料金 | 楽寿園入園料大人300円、小人50円 | ||
アクセス | 公共交通機関:三島駅南口より徒歩約3分 車:沼津ICから南東に約8㎞、約20分 |
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ホームページ | http://www.city.mishima.shizuoka.jp/rakujyu/ |