沼津市
内浦湾に臨む三津浜、太宰治執筆の宿
国登録文化財安田屋旅館


全景/3つの屋根が、空を飛ぶ雁の列のように喰い違いに斜めに並ぶ「雁行形(がんこうがた)」に造られています。客室は角部屋になり、2方向に大きく開かれています。手前の2連の屋根が松棟、奥が月棟で、手前の2階の部屋が「月見草の間」です
「月見草の間」からの富士山/目の前には三津(みと)の海が広がり、淡島(あわしま)の奥には優美な富士山がそびえ立っています
安田屋旅館
1887(明治20)年に旅籠(はたご)として始まった安田屋は、1918(大正7)年、当地へ移り、松棟を建てて観光旅館を開業しました。その後、南側に月棟を建て、三連の瓦屋根が特徴的な現在の姿になりました。
太宰治
太宰治が松棟2階「月見草の間」に滞在し、『斜陽』の執筆を行ったのは、1947(昭和22)年のことでした。滞在中は伊豆長岡へも通っていたそうで、作品中には三津の海や伊豆長岡の情景が描かれています。
松棟・月棟の建築
松棟は、部屋を喰い違いに配置して角部屋に造り、2方向に廻る手摺(てすり)付の縁側からは、海と富士山を望むことができます。客室の床の間廻りのデザインや欄間がそれぞれの部屋を特徴付け、上下階をらせん階段が結んでいます。月棟は、松棟に続いて喰い違いに建てられ、ケヤキの階段によって、2階の海沿いの客室へ導かれます。


大きな「らせん階段」
松棟の1階と2階をつなぐのが、幅約1.8mの大きな「らせん状」の階段です。中央に立つ大きなスギの丸太は、天井裏までまっすぐ延びています。2階の「月見草の間」に滞在した太宰治も踏みしめた階段だと思うと胸が躍ります。
安田屋旅館では、太宰治が眺めた三津浜の景色を、海沿いの客室から楽しむことができます。予約をすれば食事と温泉のみの利用もでき、近代の和風旅館の雰囲気を味わうことができます。太宰治にちなんだ「伊豆文庫」には、伊豆ゆかりの文学作品が揃っています。
名称 | 安田屋旅館(やすだやりょかん) | ||
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概要 | 【旅館】木造2階建、入母屋造り、桟瓦葺 | ||
年代 | 松棟:1918(大正7)年、月棟:1931(昭和6)年 | ||
電話番号 | 安田屋旅館/055-943-2121 | ||
所在地 | 沼津市内浦三津19 | 定休日 | ー |
営業時間 | ー | 駐車場 | 20台 |
料金 | ー | ||
アクセス | 公共交通機関:伊豆長岡駅よりバス15分三津シーパラダイス前下車 車:沼津ICから南に約25㎞、約40分 |
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ホームページ | http://mitoyasudaya.com/ |