松崎町

明治の松崎港に栄えたなまこ壁商家の建築

明治商家中瀬邸(旧依田直吉邸)

写真 写真

01 正面全景/なまこ壁の主屋を中央に、その両脇には、なまこ壁の土蔵が建ち並んでいます 02 ミセ/正面通りを土間とした、広く開放的なミセです。左奥に西側の土蔵が接続し、扉が開かれています

明治商家中瀬邸の建築

松崎港の南東の那賀(なか)川沿いに建つのは、呉服商依田直吉邸です。絹織物から洋織物まで衣料品を幅広く扱っていたといいます。なまこ壁の主屋と土蔵2棟が残り、現在一般的に使用されている、断面が丸い西洋の釘「洋釘」が、いち早く用いられました。輸入品の洋釘を使うことができたのは、下田港に近い松崎の豪商であったからと思われます。
主屋の中に入ると、正面通りを土間として、その奥に広い板敷きのミセが構えられています。ミセの奥には土蔵の観音開きの扉が開かれ、黒漆喰(くろじっくい)で仕上げられたなまこ壁が黒光りしています。主屋の奥の座敷には、良材が揃う床の間や棚があり、付書院(つけしょいん)は軽快なデザインの欄間と小障子で構成されています。

写真
これは見逃せません!!

大きくカーブした屋根

座敷の先には、離れにつながる渡り廊下があります。屋根を見上げると大きくカーブしていることに気づきます。よく見ると木材そのものを大きく曲げていることがわかります。これは曲げ物を得意とする船大工の仕事で、港町ならではの技法です。

  • 見学有料
  • 予約不要

なまこ壁の明治商家が見学できます。館内には、漆喰鏝絵実演コーナーや喫茶コーナーがあります。

名称明治商家中瀬邸(旧依田直吉邸)
(めいじしょうかなかぜてい(きゅうよだなおきちてい))
概要【店舗】木造2階建、桟瓦葺、大工齋藤三左衛門
年代1886〜87(明治19〜20)年
電話番号明治商家中瀬邸/0558-43-0587
所在地松崎町松崎315-1 定休日無休
営業時間9:00~17:00 駐車場20台(3時間無料)
料金入館料大人100円、中学生以下無料
アクセス公共交通機関:修善寺駅よりバス約105分松崎バスターミナル下車徒歩約15分
車:沼津ICから南に約72㎞、約120分
ホームページhttp://www.izu-matsuzaki.com

本サイトに掲載した内容は2012年9~10月の取材・調査によるものです。営業時間・休業日は、おでかけの前に各施設のホームページなどの公式サイトをご確認ください。  
  • しずおか歴史さんぽ
  • 電子書籍版無料ダウンロードはこちらから
  • 静岡県 文化・観光部文化政策課

この特集をいいね!またはシェアする

削除
明治商家中瀬邸(旧依田直吉邸)