松崎町
明治の松崎港に栄えたなまこ壁商家の建築
明治商家中瀬邸(旧依田直吉邸)


正面全景/なまこ壁の主屋を中央に、その両脇には、なまこ壁の土蔵が建ち並んでいます
ミセ/正面通りを土間とした、広く開放的なミセです。左奥に西側の土蔵が接続し、扉が開かれています
明治商家中瀬邸の建築
松崎港の南東の那賀(なか)川沿いに建つのは、呉服商依田直吉邸です。絹織物から洋織物まで衣料品を幅広く扱っていたといいます。なまこ壁の主屋と土蔵2棟が残り、現在一般的に使用されている、断面が丸い西洋の釘「洋釘」が、いち早く用いられました。輸入品の洋釘を使うことができたのは、下田港に近い松崎の豪商であったからと思われます。 主屋の中に入ると、正面通りを土間として、その奥に広い板敷きのミセが構えられています。ミセの奥には土蔵の観音開きの扉が開かれ、黒漆喰(くろじっくい)で仕上げられたなまこ壁が黒光りしています。主屋の奥の座敷には、良材が揃う床の間や棚があり、付書院(つけしょいん)は軽快なデザインの欄間と小障子で構成されています。


大きくカーブした屋根
座敷の先には、離れにつながる渡り廊下があります。屋根を見上げると大きくカーブしていることに気づきます。よく見ると木材そのものを大きく曲げていることがわかります。これは曲げ物を得意とする船大工の仕事で、港町ならではの技法です。
なまこ壁の明治商家が見学できます。館内には、漆喰鏝絵実演コーナーや喫茶コーナーがあります。
名称 | 明治商家中瀬邸(旧依田直吉邸) (めいじしょうかなかぜてい(きゅうよだなおきちてい)) |
||
---|---|---|---|
概要 | 【店舗】木造2階建、桟瓦葺、大工齋藤三左衛門 | ||
年代 | 1886〜87(明治19〜20)年 | ||
電話番号 | 明治商家中瀬邸/0558-43-0587 | ||
所在地 | 松崎町松崎315-1 | 定休日 | 無休 |
営業時間 | 9:00~17:00 | 駐車場 | 20台(3時間無料) |
料金 | 入館料大人100円、中学生以下無料 | ||
アクセス | 公共交通機関:修善寺駅よりバス約105分松崎バスターミナル下車徒歩約15分 車:沼津ICから南に約72㎞、約120分 |
||
ホームページ | http://www.izu-matsuzaki.com |