伊豆市
川が落ち合う場所に建つ天城湯ヶ島の老舗旅館の建築
国登録文化財落合楼村上


紫檀宴会場 大広間/108畳敷の大広間には、大きな床の間が構えられています
全景/狩野川の起点の西岸に建ち並ぶ旅館「落合楼」です。狩野川の豊富な水量を活用した落合楼発電所が近年再生されました
落合楼
本谷川(ほんたにがわ)と猫越川(ねっこがわ)が合流して狩野川となる地に、1874(明治7)年、旅館「眠雲楼(みんうんろう)」として創業しました。明治14年に滞在中の山岡鉄舟が、二つの川が落ち合う様子から「落合楼」と命名し、北原白秋をはじめ、文人墨客達が訪れて作品を創造しました。
落合楼の建築
持越(もちこし)街道に玄関を開く旅館「落合楼」は、1933〜37(昭和8〜12)年に建てられた玄関棟、本館、眠雲亭(みんうんてい)、紫檀(したん)宴会場、配膳室階段棟、応接棟、住居棟の7棟から成っています。玄関を入り廊下によって館内に導かれ、狩野川沿いに建つのは、格式高い部屋が並ぶ本館です。敷地の一番奥には、数寄屋造りの眠雲亭が建っています。源氏物語の各巻から名付けられた6室の欄間には、その名にちなんだ模様が透かし彫りにされています。紫檀宴会場の2階は一室の大広間で、1階は三室で構成されています。優れたデザイン感覚と高い技術力が光る近代の旅館建築です。


大きな紫檀の柱
紫檀宴会場2階の大広間には、108畳の広さにふさわしい大きな床の間が構えられています。そこには直径40㎝以上ある圧倒的な存在感の床柱が2本立っています。これが銘木の一つ「紫檀」の柱で、宴会場の名に由来しています。
宿泊客のために、翌朝「文化財見学ツアー」(無料)が行われています。見学ツアーのみの参加は予約制(有料)です。見学ツアー参加者は、産業遺産の落合楼発電所も自由に見学できます。
名称 | 落合楼村上(おちあいろうむらかみ) | ||
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概要 | 【旅館】木造、玄関棟、本館、眠雲亭、紫檀宴会場、配膳室階段棟、応接棟、住居棟の7棟、大工青木清平 | ||
年代 | 1933〜37(昭和8〜12)年 | ||
電話番号 | 落合楼村上/0558-85-0014 | ||
所在地 | 伊豆市湯ヶ島1887-1 | 定休日 | ー |
営業時間 | 見学ツアー10:00〜(40分間) | 駐車場 | 20台 |
料金 | 見学ツアー1050円(ドリンク付) | ||
アクセス | 公共交通機関:修善寺駅より車で約20分 車:沼津ICから南に約36㎞、約60分 |
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ホームページ | http://www.ochiairou.com |