伊豆の国市

伊豆・箱根の連山を借景に大庭園に配された別荘建築

三養荘本館(旧岩崎久彌別荘)

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01 老松 座敷/床の間に付書院を備えた「老松」の座敷構成は、格式高い座敷構成です 02 老松 正面全景/庭に面して配された大小の建物は、庇を廻らし、大きく軒先を出して、和風建築特有の軒下の空間を造っています

岩崎久彌と別荘

岩崎久彌は、三菱の創始者・岩崎彌太郎(やたろう)の長男で、三代目の社長を務めました。実業家として農耕や畜産にも力を注ぎ、自らの好みで小岩井農場と末広農場に別荘を建てます。そして伊豆長岡の古奈温泉の丘陵地に別荘を営み「三養荘」と名付けました。伊豆・箱根の連山を京都東山に見立てた広大な借景庭園に、数寄屋(すきや)建築を配した京風の別荘です。

三養荘の建築

広大な庭に面して東向きに建つ本館の建物が、岩崎久彌の別荘です。南に玄関を構え、その東に最も格式高い造りの「老松(おいまつ)」が続いています。玄関北側の2階建の建物には、四畳半台目(だいめ)の茶室と広間の座敷があります。その奥の「巴(ともえ)」・「松風(まつかぜ)」・「小督(こごう)」の3室は、喰い違いに配置され、東と南の2方向を庭に向けて開放する雁行形(がんこうがた)に造られています。

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これは見逃せません!!

絶妙なカーブの天井

本館から北に延びる廊下の階段を上り、振り返ると、絶妙なカーブを描く天井に驚かされます。山で自然に曲がって育った丸太を選び、柱と柱をつないで、この天井のカーブを造り上げています。この発想と大工の技術は見事です。

  • 宿泊のみ

広大な庭園に建つ数寄屋造りの本館に宿泊し、贅沢な別荘での時間を味わうことができます。日本を代表する建築家・村野藤吾が設計した新館も有名です。※三養荘庭園は、宿泊者のみ見学ができます。

名称三養荘本館(旧岩崎久彌別荘)
〈さんようそうほんかん(きゅういわさきひさやべっそう)〉
概要【別荘】木造平家建・2階建、入母屋造り、柿葺
年代1929(昭和4)年
電話番号三養荘/055-947-1111
所在地伊豆の国市ままの上270 定休日
営業時間 駐車場30台
料金
アクセス公共交通機関:伊豆長岡駅より車で約5分
車:沼津ICから南東に約19㎞、約30分
ホームページhttp://www.princehotels.co.jp/sanyo-so/

本サイトに掲載した内容は2012年9~10月の取材・調査によるものです。営業時間・休業日は、おでかけの前に各施設のホームページなどの公式サイトをご確認ください。  
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  • 静岡県 文化・観光部文化政策課

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三養荘本館(旧岩崎久彌別荘)